4. 発見した課題を深掘りしよう
フィルターやタイムコンフォーマンスを用いて、発見した課題がどこで起きているかを切り分けましょう。
より深い分析
ここまで、時間分析から特に”千葉県”の時間と発生頻度が大きく、手戻り分析から”契約書作成”で無駄な手戻りが発生していることがわかりました。
フィルターで”千葉県”の業務に注目してみる
まず、千葉県の業務のスループットタイムを、全国のものと比較してみましょう。ファクトファインダーの概要画面に戻り、フィルターを追加します。
- 画面上部のAddボタンをクリック

- 「属性フィルター」を選択

- “region”, “が以下を含む”, “千葉県”を選択

- 「フィルターに追加する」をクリックして、画面上部に追加したフィルターが表示されていることを確認する

フィルター操作によって、分析画面に反映されているデータが「千葉県」という属性値を含むケースのみになりました。データテーブルで確認することが可能です。

全国と千葉県の比較
ファクトファインダーの概要画面で、全国と千葉県のケースを比較してみましょう。
全国

千葉県

スループットタイムの違い
全体の中央値スループットタイムに違いがあることがわかります。
全国: 1.1ヶ月(33日)
千葉県: 1.9ヶ月(57日)
→千葉県は全国に比べ、スループットタイムが平均的に24日多いことがわかります。
手戻りによる影響の違い
概要画面の下部にあるグラフから、千葉県では手戻りが発生している割合が全国に比べて多いことがわかります。
全国: グラフの左側に山ができている
千葉県: グラフの右側にも山があり、手戻りの発生割合が顕著に高い
→千葉県の業務は特に手戻りによる遅延が大きい可能性が高い
Tips: フィルターを保存する
千葉県の業務に遅延が生じている原因を深掘りする必要がありそうです。千葉県のケースに絞り込みを行うことが今後増えそうなので、ここでフィルター条件を保存しておきましょう。
- 現在のフィルター条件を保存するには、右上の「フィルターを保存」をクリックします。

- するとフィルターの名前とコメントを入力する画面が表示されます。(コメントは任意です)

- 画面上部の「フィルターを呼び出し」から保存したフィルターを呼び出すことができます。

千葉県の契約業務を調べる
ここまでで、千葉支社では全国に比べて多くの時間がかかっており、手戻りも数多く存在していることがわかりました。そして先ほどのリワーク分析の結果から「契約書作成」における手戻りが数多く発生していることがわかっています。
実際に、千葉県のフィルターを適用した状態で「時間分析画面」を見ると、契約書作成のプロットが大きくなっています。

では、千葉県における契約締結までのプロセスの時間を測ってみましょう。標準的な業務では、まず契約業務を行い、その後ガス供給のための点検業務を行う流れになっています。フィルタリングを外した状態で、バリアントエクスプローラーを開いてみてください。

タイムコンフォーマンスの活用
タイムコンフォーマンスという機能を使うと、特定の区間のプロセスにかかっている時間を調べることができます。
タイムコンフォーマンスの基本的な操作は下記を参照してください。
再度千葉県のフィルターを適用し、タイムコンフォーマンスの画面に移動してください。

タイムパスの設定方法
契約業務のプロセスを指定して、その範囲のスループットタイムを調べるために、設定を追加します。
- 「新しい条件を追加する」をクリック

- タイムパスの設定方法で「AからBまで(経由を含む)」を指定する

- 上のアクティビティに「契約チケット作成」、下のアクティビティに「契約締結」を指定し、次へ

- 「保存する」ボタンを押す

- 保存済み設定一覧に作成したパスが作成されているので、クリックする

- タイムコンフォーマンスの画面が表示される

千葉県の契約業務と全国の契約業務の比較をする
タイムコンフォーマンスの画面で、千葉県での契約業務と全国の契約業務のリードタイムを比較してみましょう。
全国

平均リードタイム: 17.4日
中央値リードタイム: 16.1日
千葉県

平均リードタイム: 29.3日
中央値リードタイム: 29.2日
千葉県の契約業務は全国に比べ、中央値で13.1日大きい値となっています。千葉県の契約業務における手戻りを見直すことで、大きな業務効率化ができそうだというインサイトが得られました。